前衆議院議員・中谷一馬が語る、P2Pネットワーク主権型AI「NECO ASOVI」構想の全貌と7つの設計原理

AI主権の正体とNECO ASOVI構想の全貌公開を伝える中谷一馬氏のアイキャッチ画像。

2026年、人工知能(AI)は大きな分岐点を迎えています。

本記事では、前衆議院議員でデジタルハリウッド大学大学院特任教授の中谷一馬氏が、民間の立場から始動する次世代ネットワーク主権型AIインフラ「NECO ASOVI」構想について解説します。

中谷氏が問題視しているのは、AIが生み出す知識、データ、利益が、一部の巨大IT企業に集中している現在の構造です。NECO ASOVIが目指すのは、特定企業や国家に依存する中央集権型AIではありません。一人ひとりがAIの利用権、データ、知的資産を管理できる、自律分散型のAIエコシステムです。

約120分の動画では、NECO ASOVIを支える「7つの設計原理」を中心に、社会実装までのロードマップ、科学研究や政治への応用可能性について語られました

【 今回の解説動画はこちら 】

目次

1.NECO ASOVI構想とは

1-1. 巨大IT企業に集中するAI主権

生成AIが世界にもたらす経済価値は、年間最大4.4兆ドルに達すると試算されています。一方で、AIの学習データや推論の仕組みは、一部の巨大IT企業の内部にブラックボックスとして蓄積されています。

中谷氏は、本来は社会全体で共有されるべき知識や判断能力が、特定企業のAIモデル内部に閉じ込められる状態を「知能の内部化」と表現します。利用者は企業が定める料金や利用規約に従わなければならず、サービス停止や方針変更の影響も避けられません。

NECO ASOVIは、知識や意思決定の仕組みをAIモデルの外側に保存し、特定の企業やサービスに依存しない構造をつくるプロジェクトです。

1-2. 公益資本主義を技術で実装する

NECO ASOVIが目指すのは、AIによって生み出された利益を、税金によって事後的に再分配するだけの仕組みではありません。価値が最初から一部に集中しにくく、開発者や利用者、知識の提供者へ継続的に還元される構造を、技術によって実装します。これは、中谷氏が掲げる「公益資本主義」をAIインフラ上で実現する試みでもあります。

1-2. グラミン銀行に学ぶAIアクセスの民主化

NECO ASOVIの思想には、ムハマド・ユヌス氏が創設したグラミン銀行の考え方も取り入れられています。グラミン銀行が少額融資によって、金融サービスを利用できなかった人々の自立を支援したように、NECO ASOVIはAIを利用する手段と決定権を、より多くの人へ届けることを目指します。AIによって単純作業や実務を自動化できれば、人は生活の余裕を取り戻し、創造的な活動へ時間を使えるようになります。

2.なぜ2026年に始めるのか

2-1. AIが戦略物資になる時代

AIは、単なる便利なクラウドサービスではなくなりつつあります。今後、AIモデルや計算資源が安全保障上の「戦略物資」として扱われれば、国家や企業の判断によって利用を制限される可能性があります。特定の海外企業が提供するAIだけに依存した場合、サービス停止や価格変更、輸出規制などによって、企業活動や社会インフラが影響を受けかねません。

そのため重要なのは、特定のAIモデルを保有することではなく、複数のAIを利用しながら知識と仕組みを維持できる「AIの土壌」を確保することです。

NECO ASOVIが提唱する2つのソブリンAIの概念比較。モデル開発とエコシステム主権の違い。
「モデルを作る」ソブリンAIと「エコシステムを作る」ソブリンAIの対比図

2-2. 拡大するデジタル格差・デジタル貧困への民間からのアプローチ

世界では現在も約22億人がインターネットを利用できず、国や地域による通信インフラの格差が残っています。今後は、インターネットへ接続できるかどうかだけでなく、AIエージェントを活用できる人と、活用できない人との格差も拡大します。

AIを使える人は、情報収集、文章作成、分析、営業、開発などを大幅に効率化できます。一方、AIを利用できない人は、生産性や所得の面で不利になる可能性があります。また、海外製デジタルサービスへの依存が強まれば、日本から国外へ支払われるデジタル関連費用も増加します。

中谷氏は、こうした問題を政策議論だけで終わらせず、民間の立場から具体的なインフラとして実装する必要があると訴えています。

3.【7つの設計原理】知能の外部化と自律分散型インフラの技術基盤

NECO ASOVI構想は、2025年末の時点で本質的に実現可能なレベルにまで緻密に練り上げられた「7つの設計原理」から成る統合インフラです 。

NECO ASOVI構想の基盤から統治までを網連した7つの設計原理の積み上げ図。
各原理が相互に補完し合い、一つの統合インフラへと収束する構造

① 第一の設計原理:LLMの相対化と知能の外部化(型付き階層DAGによる知的資産の永続化)
業務知識や意思決定の流れを、LLMのモデルパラメータ内部ではなく、その外側に「型付き階層DAG」として構築します。DAGとは、有向非巡回グラフと呼ばれる構造です。各作業や判断をノードとして配置し、入力と出力の形式を明確に定義して接続します。これにより、複雑なタスクを安全に分解・再構成できるほか、使用するLLMが変更されても、蓄積した知識や業務フローを失わずに引き継げます。つまり、特定のAIモデルに知能を閉じ込めず、知的資産をモデルの外側に保存する設計です。

② 第二の設計原理:OS on OS(OOS)とブラウザ依存からの脱却(AIを回答者から実行主体へ進化させる)
Webアプリをブラウザのサンドボックス内だけで動かすのではなく、WindowsやmacOSなどのホストOS上に、仮想OS「OS on OS(OOS)」を展開します。これによりAIは、文章を生成するだけでなく、人間と同じように画面やアプリを操作し、現実の業務を実行できるようになります。さらに、場所を問わず利用できる「オムニプレゼンス(偏在性)」と、ユーザーの行動や習慣を学び、必要な作業を先回りして行う「自発性AI」の実現を目指します。

③ 第三の設計原理:GMR(Graph-Memorized Reasoning)と差分限定推論(使うほど推論コストが下がる仕組み)
一度確定した業務フローや判断手順を「決定済み部分グラフ」として保存し、新しいタスクでは、既存の構造との差分である「Δグラフ」だけを再計算します。

決定済み部分グラフの使い回しにより、利用・知識蓄積が進むほどコストが下がるNECO ASOVIと巨大LLMの比較グラフ。
中央集権型LLMとNECO ASOVIにおける単位成長あたりのコスト推移(概念図)

巨大LLMでは、モデルの規模が拡大するほど推論コストも増えやすくなります。一方、NECO ASOVIでは、過去に確定した処理を再利用するため、使い続けるほど1回あたりの推論コストを下げられます。中谷氏はこれを「スケーリング則の反転」と表現しています。また、利用履歴に応じてノード同士の結合強度を自動調整し、必要性の低い情報を弱め、再び重要になった情報を活性化する仕組みも備えます。

④ 第四の設計原理:知能の暗号化カプセル「Cube」(知能や能力を持ち運び、流通させる)
Cubeは、対話や実務を通じて蓄積されたワークフロー、知識、判断能力を、一つの独立した容器にまとめた「持ち運べる知能の最小単位」です。特定の端末やAIモデルに依存せず、別の環境へ移動して利用できます。Cube全体はAES-256-GCMなどで暗号化され、コピーできることと、実際に利用できることを分離します。複製や流通は可能でも、正しい復号鍵がなければ中身を閲覧・実行できません。復号鍵に有効期限を設定すれば、期間限定利用や更新課金など、知能のライセンス提供も可能です。また、Cubeが複製、改良、合成された履歴を「系譜ログ」として記録し、元の開発者や知識提供者へ収益を還元する基盤にもなります。

⑤ 第五の設計原理:P2Pトポロジーと堅牢なアーキテクチャ(中央に依存しない障害耐性と自衛防衛)
中央サーバーだけに依存せず、各ノードが自律的に接続するP2P型の分散基盤を構築します。一部のノードが停止しても、ネットワーク全体が機能を維持できる設計です。各ノード内部では、画面を担当するGUIプロセスと、処理を担当するバックエンドプロセスを分離します。これにより、片方に障害が発生しても、システム全体が停止するリスクを抑えます。さらに、すべてのノードを世界標準時であるUTCに同期させ、処理の順序や記録の一貫性を確保します。不正や矛盾した動作については、「Proof of Malfeasance」によって検証可能な証拠として記録し、中央管理者がいなくても不正を検出・抑止できる構造を目指します。

⑥ 第六の設計原理:信頼の鎖と現実世界のアイデンティティ(eKYCによる本人性と責任主体の確認)
分散型ネットワークでは、一人が大量の偽アカウントを作り、多数派を装う「シビル攻撃」が問題になります。NECO ASOVIでは、端末や物理環境による制限を行う「シングルトン・ロック」を第一の防御として導入します。その上で、eKYCによる本人確認を行い、現実世界の人物とデジタル上の公開鍵を1対1で結び付けます。本人確認や信頼度に応じて、アイデンティティをL1からL3までの3段階に分け、利用できる機能や権限を調整します。これによりCubeは、匿名のボットではなく、実在する個人の価値観、専門性、知識を反映した「影分身」として機能します。

⑦ 第七の設計原理:AI収益権の還元と二次投票(知能が生み出す利益と意思決定を分散する):
Cubeの系譜ログを基に、開発、育成、改善に貢献した人へ、収益を継続的に還元する「Continuous Revenue Right」を実装します。これにより、知識やAIエージェントを広く流通させながら、元の貢献者は権利と収益を保持できます。完全なオープンでも、完全な独占でもない、「開いて流通するが、権利は失われない」という第三の仕組みです。さらに、ネットワーク内の意思決定には二次投票を採用し、単純な多数決では拾いにくい少数派の強い要望や切実さを、資源配分やルールづくりに反映します。

この第七原理によって、技術の分散だけでなく、AIが生み出す富と統治権限の分散までを実現します。

4.意思決定の歪みを正す「二次投票」と民主主義のアップデート

4-1. 1人1票の限界突破:切実な少数の声を資源配分へ反映する数学的装置

NECO ASOVIインフラのガバナンスにおける革新が、グレン・ワイルが提唱した「二次投票(Quadratic Voting:QV)」の社会実装です 。

二次投票における票数と必要クレジットの二乗比例を示す棒グラフ。
強い意思(熱意)の強度を示すほど、投入コストが票数の二乗で増える数理ロジック

この仕組みでは、全参加者に均等に配られた投票用クレジットの範囲内で、特定の重要課題に対して「重ねて複数票」を投じることが認められますが、その際に支払うコストは「投票数の二乗(1票=1、2票=4、3票=9、4票=16)」で跳ね上がる設計となっています 。

動画内で提示された「マンションでの猫の飼育住民投票」のサンプルの通り、従来の多数決では否決されるケースでも、二次投票の導入により「強い熱意を持った少数の賛成派」の切実な思い(痛みの深さや必要の濃度)を数学的に正しく抽出し、共存のための最適な資源配分やルール採択へと転換させることが可能になります。

5.【5つの技術】社会実装を目指す次世代ソリューションと工程表

自律型AIが次々と生まれる時代に向けて、「NECO ASOVI」プロジェクトでは、人間を無駄な作業から解放するためのプロトタイプ開発を進めています。NECO ASOVIは、単なるAIツールではありません。音声入力、操作自動化、複数AIモデルとの連携、AIエージェント市場、ブロックチェーンに似た性質を持つ価値還元を組み合わせた、次世代のAIソリューションとして設計されています。

具体的には、以下の5つの技術要素を統合する構想です。

① Voice(自然な音声インターフェース)
話しかけるだけで、高度な文章作成や各種タスクの指示を高精度で実行できる操作環境を提供します。キーボード入力や複雑な操作を前提とせず、誰もが自然にAIを使える入口として機能します。

② Open Claw(操作自動化・ネイティブ実行)
ユーザーが目的を伝えると、AIがPC内のファイル操作や各種アプリの操作を自律的に実行します。たとえば、Excel、Slack、各種業務ツールなどの画面をAIが直接制御し、人間の代わりに作業を進める技術です。

③ Claude / Gemini / ChatGPT(交換可能な言語処理エネルギー)
特定のAIベンダーに一極依存するのではなく、用途や機密性に応じて、Claude、Gemini、ChatGPTなどの最適なAIモデルと安全に連携する機能を備えます。

④ App Store(AIエージェントの市場・マーケットプレイス)
多種多様なAIエージェントが流通し、それぞれの機能や価値を安全に交換できる独自の市場を形成します。ユーザーは必要なAIエージェントを選び、開発者は自らのAIエージェントを提供できるエコシステムを構築します。

⑤ Blockchain(自律分散型の富の整流器):AIが生み出した利益や価値が、中央の運営主体だけに集中しないよう、自律分散型の仕組みによって参加者へ正当に還元(富の整流)します 。

中谷氏は、NECO ASOVIのロードマップを、単なる機能追加や販売ファネルではなく、社会構造を不可逆的に変化させていくための「社会実装の工程表」と位置づけています。ロードマップは、以下の全8段階で構成されています。

  1. 導入
  2. 常駐化
  3. 依存化
  4. ネットワーク化
  5. 資産化
  6. 信頼化
  7. 制度化
  8. 社会基盤化

この工程表において、最初の入口となるのは、理念の押し売りではありません。まずは「完全無償の超高性能な音声入力アプリ」として、ユーザーのPC環境に静かに常駐し、圧倒的な日常の便利さを提供することから始まります。

日々の作業を自然に支援し、ユーザーの生活や仕事に深く入り込むことで、NECO ASOVIは単なるAIツールから、社会基盤へと進化していく構想です。

6.【応用領域】科学研究の構造的確信(βScience)と、政治主体の転換(代現士)

7つの設計原理が一体化したとき、NECO ASOVIがもたらす波及効果は、単なるローカル環境での業務効率化にとどまりません。その影響は、社会の根幹をなす重要領域にも及びます。特に、科学研究と政治の領域においては、従来の前提そのものを変える「相転移」、すなわち構造的な変化を引き起こす可能性があります。

6-1. 応用領域①:科学研究への貢献(「読む論文」から「動かす論文」へ)

現在の科学界は、深刻な「再現性の危機」に直面しています。その大きな要因の一つは、論文における研究手法、いわゆるMethodsが、主に自然言語のテキストだけで記述されていることです。

研究の手順は文章として説明されていても、実際のコード、判断の文脈、試行錯誤の過程、研究者がどのような意図で処理を選択したのかまでは、十分に共有されません。そのため、他者が同じ実験を再現しようとしても、膨大な時間と試行錯誤が必要になります。

国家の成長戦略にも直結する「AI for Science」の領域において、NECO ASOVIは、研究プロセス全体を「トポロジー」と「Cube」の形式で構造化することを目指します。これにより、論文は単に読むものではなく、そのまま再演し、起動できるものへと変わります。この新しい研究のあり方が、「βScience(ベータ・サイエンス)」です。

βScienceでは、博士課程の学生が、分野の第一人者、いわば「分野の巨人」の思考経路を、実行可能なトポロジーとしてインポートできるようになります。そして、その強固な知の土台の上に、自分自身の研究を積み重ねていくことが可能になります。

これは単なる論文共有ではありません。研究手法、判断プロセス、思考の流れそのものを継承する、本質的な知識継承の仕組みです。

6-2. 応用領域②:政治主体の転換(「代議士」から「代現士」へ)

現在の代議制民主主義は、通信や情報共有が困難であった昔の「高コスト環境」において、代表者を選ぶことに高い合理性があった時代の旧制度です 。情報処理コストが激減した現代、政治の中心は「どの法案を通すか」から「どの仕組みやインフラを動かすか」へ移りつつあります 。

議論主体から知のエコシステム(実装主体)へのチェンジを提唱する代現士と公共ファンドの概念図。
従来の代議士(議論主体)から、社会実装で現実を変える「代現士」への統治構造の変化

NECO ASOVIが提示するのは、口先だけの議論ではなく、国民から預かった資源を基に、まとまった意思に基づいて現実をダイレクトに変えるプロジェクトを直接遂行・実装する「代現士(だいげんし)」という新たな主体のあり方です。評価は、人間性といった曖昧な指標ではなく、「公共的成果をどれだけ達成したか」によって冷徹かつ同的に下されます 。

政府がAIを道具として導入する段階から、制度そのものをエージェントAI前提で再設計する補完装置(国家外部の自律的な安全弁)として機能する未来を予測しています 。

7.「Think Different ― 異端であれ」中谷一馬の覚悟と未来へのメッセージ

中谷氏は、衆議院議員選挙での落選という極めて悔しい個人の逆境を経験したからこそ、長長しい永田町の慣習に縛られることなく、民間およびアカデミアという最も自由な立場から、世界の富の流れを大衆の手に取り戻す本気の社会実験へと打って出ました 。かつてSFの父ジュール・ヴェルヌは、「人が想像できることは、人が必ず実現できる」という格言を遺しました。ドラえもんの秘密道具であった「ほんやくコンニャク」は、スマート端末の自動翻訳として日常に溶け込み、「タケコプター」を思わせるパーソナルフライボードも現実のものとなりつつあります。

私たちが具体的に想像し、設計図を描ききった未来は、テクノロジーと行動によって、必ず現実へと手繰り寄せることができます。

中谷氏は、衆議院議員選挙での落選という極めて悔しい個人の逆境を経験したからこそ、旧態依然とした永田町の慣習に縛られることなく、民間およびアカデミアという自由な立場から、世界の富の流れを大衆の手に取り戻す本気の社会実験へと踏み出しました。

前衆議院議員の中谷一馬氏が政治で掲げた、子どもへのチャンス、ネット投票、若者の決定権という3つの約束。
16年の政治家生活、および国政の場で掲げたデジタル民主主義と次世代への約束

前衆議院議員としての16年にわたる政治活動の中で、中谷氏は、子どもへのチャンス、ネット投票、若者の決定権を掲げ、デジタル民主主義と次世代への約束を訴えてきました。

「周囲からどれほど異端や無謀と見られようとも、巨大IT資本がつくるルールを、ただ受動的に与えられる消費者でいる時代は終わりにしよう」中谷氏は、志を同じくするビジネスパーソンたちの知恵、経験、技術、人脈、そして未来を共に創り上げる覚悟を結集し、次世代の「未来のスタンダード」を、今ここから自分たちの手で構築していこうと呼びかけています。

9.【編集部解説】「NECO ASOVI」がビジネスパーソン(BP)にもたらす衝撃と経済合理性

当編集部として本構想を俯瞰した際、最も注目すべき戦略的着眼点は、これが単なる生産性向上のためのAIツール開発にとどまらない点です。むしろ、「大量かつ新鮮なビジネスパーソン(BP)との直接コミュニケーションパスリストの掌握」を最終目的に据えた、極めて緻密な商業インフラ戦略であると考えます。

ターゲットを一般消費者(C)や単なる法人(B)ではなく、明確な意思決定権や購買力を持つ「BP(決裁権者)」に特化させている点も非常にユニークです。高性能な音声入力アプリを無償提供し、デスクトップ環境へ静かに浸透させる手法、いわば「トロイの木馬戦略」は、インフラ構築のアプローチとして極めて合理的だと感じます。

さらに、確立された直接パスの上に張り巡らされた、マネタイズの多層性にも驚かされます。

「黒字仕入れの原則」の徹底

従来のSaaS企業のように、「ネットワークエフェクトが出るまで巨額の赤字を掘り続ける」ハイリスクなモデルからは完全に脱却しています。ライセンス料やデータ・ペルソナ販売など、独立した複数のキャッシュフローを前提とし、パスを獲得する行為自体が即座に収益を生む構造になっています。

太さではなく「本数」で稼ぐストリーム

一つの巨大なキャッシュポイントに依存せず、API開放、複数LLMを中継するルーター通話料モデル、ナレッジ流通など、無数の収益経路を最初からポートフォリオとして組み合わせています。これにより、リスクを分散しながら収益を最大化する設計になっています。

東証プライム上場IT企業の創業期を執行役員として支えたビジネスセンスと、国政の最前線でデジタル政策をリードしてきた知見。この「民間と政治の両輪の視座」が高い次元で融合しているからこそ、数年後のスマホなき時代を見据えた新インフラを、むき出しの経済合理性から逆算して設計できているのだと考えます。

2026年の歴史的転換期において、このインフラがどう社会に根付いていくのか、今後の展開から目が離せません。

9.まとめ&資料ダウンロード

次世代ネットワーク主権型AIインフラ「NECO ASOVI」は、AIが生み出す知識や利益を一部の資本家や特定ベンダーに集中させず、個人や社会へ広く還元することを目指す社会実装プロジェクトです。

特定のAI企業に依存しない技術基盤に加え、知的資産の所有、収益分配、本人確認、ネットワーク統治までを一体的に設計している点に特徴があります。今回のライブ配信で使用されたプレゼンテーション資料には、7つの設計原理や8段階の社会実装ロードマップを含む、NECO ASOVI構想の詳細が全113ページにわたってまとめられています

【PDF資料を丸ごとダウンロード】
動画内で使用したNECO ASOVI 構想 プレゼンテーション資料(PDF)をダウンロードする

NECO-ASOVIへの反響・サポーターの声

NECO ASOVI構想の発表以降、最先端のテクノロジーと未来の社会構造を模索するクリエイターや研究者の皆様から、深い洞察に満ちた反響をいただいております。

今回は、生命のATA実験者の著者である二機一(niki1111)氏が、ご自身のnoteにてNECO-ASOVI構想を考察・批評してくださった記事をご紹介します。

編集部コメント:二機一氏の論考に対する感謝と視座

二機一氏は記事内で、NECO ASOVIを「AIの富と権力を大衆に取り戻す画期的な社会インフラ」と評価しつつ、AIがAIを生み出す自己増殖社会における「悪意なき思想の偏りの増幅」や「人間の聖域」について、鋭い警鐘を鳴らされています。

特に、eKYCや暗号署名などによって技術的な安全性が高まったとしても、それが思想的な健全性まで保証するわけではないという「署名付きの偏見」への指摘は、当編集部としても、インフラの社会実装において極めて重要な視座であると考えています。

また、AIを単なる「もう一人の自分」、つまり人間の複製として作るのではなく、人間とは異なる特性を持った「共に考える新しい知性」、すなわちパートナーとして育てるべきだという考え方も、非常に示唆に富むものです。

AIの進化の方向を決める「最後の一筆」と、その責任は人間が担い続けるべきである。二機一氏のこの思想は、NECO-ASOVI構想が目指す「人間中心の分散型社会」という議論を、より深く、より強いものにしてくれると感じています。

テクノロジーの先にある「人間の尊厳」に真摯に向き合った、熱量あふれるオマージュ作品を執筆いただいた二機一氏に、編集部一同、心より感謝申し上げます。

発信者(スピーカー)プロフィール

前衆議院議員の中谷一馬氏
前衆議院議員の中谷一馬氏

中谷 一馬(なかたに かずま)

前衆議院議員(3期)/ デジタル政策の専門家 / デジタルハリウッド大学大学院 特任教授

デジタルハリウッド大学大学院を首席で修了(MVP受賞)。東証プライム上場IT企業である株式会社gumiの創業に執行役員として参画するなど、テクノロジー分野の最前線でビジネス経験を積んできました。

その後、元内閣総理大臣の秘書を経て政治の世界へ進み、神奈川県議会議員、衆議院議員を歴任。神奈川県議会議員には、当時の史上最年少で就任しました。

また、世界経済フォーラム、通称「ダボス会議」のGlobal Shapersに、U-33日本代表として、地方議員から史上初めて選出されています。

衆議院議員は3期務め、国会ではデジタル政策を中心に活動しました。「インターネット投票法案」の筆頭提出者を務めるなど、デジタル民主主義の推進に取り組んだほか、AIの安全性に関する法整備の議論にも携わりました。

こうした政策立案能力が評価され、「三ツ星議員」にも選出されています。

現在は、民間およびアカデミアの立場から、サイバーセキュリティ、AI法規制、データ主権を守る「ソブリンAI」の社会実装、個人向け自律型AIエージェントの普及に向けて活動しています。

2026年には、AI主権を広く社会へ分散する仕組みを民間から実装するため、「NECO ASOVI」構想を始動しました。

中谷一馬 公式リンク

・公式YouTubeチャンネル: 中谷一馬ちゃんねる
・公式X(Twitter): 中谷一馬 / Kazuma Nakatani
・公式Instagram: 中谷 一馬 / Kazuma Nakatani
・公式サイト: 中谷一馬 公式ホームページ
・所属アカデミア: デジタルハリウッド大学大学院 教員紹介

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この記事を書いた人

「猫の手でも借りたいあなたへ、AIの手を届ける」
私たち「NECO ASOVI(ネコアソビ)」編集部は、ただ最新のAIツールやガジェットの便利さを追いかけるだけのメディアではありません。

【 私たちの名前(NECO ASOVI)に込めた想い 】
私たちのメディア名は、次世代のAI社会が目指すべき自律分散型のアーキテクチャに由来しています。

NECO ASOVI = Networked ECOsystem for Agentic AI SOVereign, In vitro (エージェント型AI主権のためのネットワーク型エコシステム)

特定の巨大IT企業が知能を独占する「中央集権」の構造に抗い、暗号学的な検証可能性によって、誰もが自らの「知能・所有権・収益権」を手に持てる未来(AI主権)を支持しています 。

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